相続関連の税務と贈与

こちらでは相続関連の税務と贈与についてご説明いたします。

相続が発生すると財産を引き継ぐことになりますが、相続や贈与といった金銭価値のあるもののやり取りには必ずといっていいほど税金が関係してきます。

相続税の課税対象の判断は、相続する財産の総額が法的に定められた基礎控除額を超えるかどうかによって決まります。もし、相続や遺贈等により取得する財産の総額が基礎控除額を超える場合、超過している金額が課税対象になるため納税が必要です。

相続税は法人税等と同様に、納税額を自ら計算し期限内に申告しなければなりませんが、個人によって内容に差がある納税額の計算は知識のないものにとっては難易度の高い手続きになります。
そのうえ間違った内容を申告してしまった場合、ペナルティとして延滞税や過少申告加算税といった税金が追加で徴収されるリスクもあるのです。

申告漏れ等によるペナルティを課されないためには、正しい税務の知識が必要です。ポイントをお伝えいたしますので、確認していきましょう。

2015年に行われた相続税法の改正により、基礎控除額が引き下げられました。それに伴い、今まで相続税申告が必要でなかった人も相続税申告の対象となるケースが増えてきています。
自分は対象でないと過信せず、必ず相続税申告の対象かどうかを確認するようにしましょう。

なお、「相続税」とは、相続や遺贈などにより引き継いだ財産のなかで、課税価格の合計額が基礎控除額を超過した場合に、超過部分に対して課される税金のことです。
基礎控除額は、下記の計算式を用いて算出します。

基礎控除額を算出した結果、課税価格の合計額を上回っていなければ非課税となり、相続税申告も不要です。

相続税の申告期限

相続税申告には、＜被相続人が亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内＞という期限が設けられています。
一般的に徴収される税金としてよく知られているのが固定資産税や住民税ですが、相続税はこれらの税金のように国や管轄地域から通知がくることはありません。
それゆえ、期限が過ぎないようにご自身で確認しながら進めていく必要があります。

意図せずとも期限を過ぎた場合には、ペナルティとして本税以外に追加で税金が課されてしまいます。また、それだけでなく各種特例や控除の適用もできなくなってしまうため、くれぐれも注意しましょう。

贈与税は、財産を譲り受けるときに財産を受け取る人に対して課せられる税金のことです。相続税対策として生前に財産のやり取りを検討される方がいらっしゃるため、ここでは贈与税についてもお伝えいたします。

相続税と贈与税の税率を比較した場合、基本的に贈与税の税率のほうが高いといわれています。ただ、贈与税にも相続税と同じような基礎控除額が定められていますので、それを上手に利用することで贈与を生前対策として活用することが可能です。
贈与税の基礎控除額は110万円（年間）であり、受け取った財産の総額が110万円以内であれば課税の対象外となります。

なお、贈与者が亡くなった場合、被相続人の生前3年以内に贈与を受けた相続人および受遺者の贈与分については、年間110万円以下であったとしても相続税に含めて計算しなければなりません。
それゆえ、亡くなる間際に焦って贈与を行ったとしても相続税対策とはなりませんので注意しましょう。

生前対策として基礎控除額を利用した贈与を行う場合には、全体像を把握し余裕をもって進めていく必要があります。

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