家族信託（民事信託）の活用事例

こちらでは家族信託（民事信託）の活用事例についてご説明いたします。

ご自身が信頼するご家族間、またはご親族間で結ぶ契約のことを「家族信託」といい、ご自身の思い通りに財産の管理や運用、処分等を決めることができます。

家族信託が活用される主なケースとしては、以下のようなものが挙げられます。

遺産相続における財産の分配については、民法によって優先順位が設けられています。

何の対策もしないままですとその優先順位に沿って遺産承継が行われますが、ご自身が元気なうちに家族信託を活用することで、遺産承継の順位、さらには遺産分割の割合についても思いのままに決められるようになります。

何らかの理由によって所有者の手で不動産を管理することが難しくなった場合も、家族信託の活用が有効です。

あらかじめ家族信託において不動産の管理・処分に関する内容を盛り込んだ契約を結んでおけば、所有者に万が一のことがあったとしても受託者が契約内容に基づいてそれらの行為を代行することができます。

このようなケースでは家族信託の契約を結ぶ際に不動産の管理・処分方法についての指示を明確にしておくことが重要であり、不動産の所有者が元気なうちに行う必要があります。

家族信託は、財産を所有する方の認知症対策としても活用できる信託方法です。

受託者との間で財産管理に関する指示を盛り込んだ契約を結ぶことにより、認知症を発症した際にはその内容に従って財産管理が実行されます。

なお、契約書を交わすには財産を所有する方の判断能力が低下していないことが条件となるため、注意が必要です。

自社株等を所有している場合、将来的に相続が発生した際にその分割が原因で会社経営に不都合なことが起こる可能性も考えられます。

そうした事態を回避する方法として挙げられるのが、会社経営の一部を任せるといった内容を盛り込んだ信託契約を早い段階で受託者と結ぶことです。

そうすれば会社経営に関わってはいるものの一部についてはすでに受託者に任せてある状態ですので、将来的に相続が発生したとしても安心だといえるでしょう。