危急時遺言について
遺言書の種類として一般的な(1)自筆証書遺言(2)公正証書遺言(3)秘密証書遺言のほか、一般的にはあまり知られていませんが「危急時遺言」というものがあります。
危急時遺言とは遺言者(遺言を残す人)の死亡が迫っている場合に認められる遺言です。自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言とは作成方法や手続きが異なりますので、注意しなければなりません。
こちらでは危急時遺言のひとつである「一般危急時遺言」についてご説明します。
一般危急時遺言
一般危急時遺言とは遺言者が病気やケガにより死亡の危急が迫り、署名・捺印もできない状態の場合に行う遺言方式であり、あくまで緊急時に行う遺言です。
なお一般危急時遺言を作成後、遺言者が回復し、回復した時から6か月経過した時点で遺言は無効となります。
一般危急時遺言の作成方法
証人3名以上が立ち会う中で、遺言者が口頭で遺言を伝え、一人の証人が自筆またはパソコンにて作成します。
遺言は手話による申述も認められており、言葉が不自由な遺言者も作成が可能です。
遺言者と書面を作成した証人以外の2名で内容を確認し、間違いがなければ証人全員の署名・捺印を行います。
家庭裁判所への請求
書面を作成後、作成した日から20日以内に証人が家庭裁判所へ請求し、内容を認められて初めて遺言の効力が発生します。
【家庭裁判所への提出書類】
- 書面にした遺言の写し
- 病院の診断書
- 遺言者および立ち会った証人全員の戸籍謄本
一般危急時遺言はあくまで緊急時にのみ認められる方式です。
遺言書の作成を考えている方はお元気なうちに早めに作成しましょう。